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兄と首輪

第8章 兄と鍵




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ホテルを出て…


暗くなった…街を…



二人で手を繋いで歩いた…



指には…お互いの石の入ったペアリングを着け…





時間は…かなり遅くなった…


父さんと母さんに…目茶苦茶怒られるのを覚悟で…二人でユックリ歩いた…




明日から…この指輪は…母がくれたチェーンにぶら下げて…生活をする…


それでも…二人の秘密は…しっかり胸に握りしめておこう…




「アヤ…

俺は…いつか…父さんと母さんとの間の養子縁組を拒否しようと…思う…


そして…アヤ…お前と…一緒になりたい……」



『兄さん…』


「でも…まだ…俺には何も出来てない…無責任な事を今言った事も…わかってる…アヤに…辛い思いもさせるかも……だから…

アヤには…これを…渡しておく…」




…鍵…





「ファミリーリングの入っている…引き出しの鍵…



俺を信じられなくなったり…


この…関係が辛くなったら…いつでも…


家族に…もどれるように…」




私の手の平に…小さな…

鍵が…光った…





『小さい…鍵なのに…こんなに…重い…』









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