兄と首輪
第6章 兄とリング
え・・・・・
特別・・・
・・・・養子縁組・・?
『なに…それ・・・』
「…そう…父さんと母さんは…医学的に…
子供が出来ない…体でな……
その制度で…おまえ達を…
養子縁組…したんだよ…」
『・・・・・・ぇ』
私は兄を見た…
兄はうつむいて…話を…聞いていた…
『父さん…?二人とも・・・・・・・・?』
「ああ…勝も…アヤも…養子縁組で私達…夫婦の子供になったよ…
勝…には…アヤと同じ高校一年の時に話したんだよ…
アヤにも…高校一年になったら話す予定だったんだ…」
え・・・・ぇ・・・・
『兄さん…知ってたの・・』
私は…
動けない…何?
『え?・・・でも…写真…
生まれた時の…赤ちゃんの写真…おかしいじゃん…お母さん…生後、間もない私達と一緒に撮った写真あるよ・・・産んだ…んだよね…
お母さん…・・・』
母さんは微妙に微笑み・・・
「アヤ・・・
特別養子縁組制度はね…前もって…申請して、出産するかたの了承を得るの。
どんな状態の子供でも拒否することなく…生後間もない子を養子にできるの…」
え・・・・・でも・・・・
『・・・・パスポート!!!
パスポートは?戸籍謄本…
長男…長女って記載されてた・・・・』
「特別養子縁組制度では…実母、実父を名乗ることが出来るんだよ…
だから…戸籍上は…養子記載はされないんだよ…」
体が…固まり…
血の気が引いていく…