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　色白は七難隠すと昔から言われているけれど、顔立ちは取り立てて印象に残らない平凡なものなのに、この膚の美しさのお陰で十人並み以上の男前に見える。女のキョンシルの立場からすれば、羨ましい話だ。
　先刻の下男が〝若さま〟と呼んでいたところを見ると、よほどの金持ちの坊ちゃんに違いない。着ているものは濃紺の絹のパジで上物、被っている帽子も最高級品、おまけに顎紐のように垂れている玉(き゜よく)は質の良い紅瑪瑙だ。
　ひょろ長い身体にはろくに筋肉はついていないし、箸よりも重い物を持ったことのない―要するに肉体労働などしたことのない身体なのだ。
「す、済みません。みっともないところをお見せしました」