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「お祖父さまは、私にとってはたった一人の身内ですもの。当たり前です」
　思いがけず祖父がいると知らされたときの歓びは大きかった。母を嫁として認めようとしなかった祖父を憎みながらも、自分はまだ一人ではないと心のどこかで思え、それが生きてゆく支えにも励みにもなったのは確かだ。
「冷たく当たったそなたに今更、こんなことを頼めはしないかもしれぬ。さりとて、儂が後継のおらぬまま死ねば、崔氏の家門は絶える。キョンシル、どうか、この家に戻り、家門を継いでくれ。そなたの父が果たせなかった夢を果たし、儂やチソンの血を次の世代に繋いで欲しい」