
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会
馬執事は流石に何十年にも渡って崔氏に仕えているだけあって、主家の内情に詳しい。それによれば、イルチェの父は正室との間に三人の子を儲けた。即ち、イルチェとその下にそれぞれ弟妹を一人ずつだ。後の二人は庶出、つまり妾に生ませた子である。
二人の庶子は別々の女から生まれ、一人は娘であった。更にもう一人の庶子が兄弟ではいちばん下になるミンチュだという。
「旦那さまが十四におなりの年にお生まれになったので、歳は離れておいでです。今一人の外腹のお嬢さまは早くからお屋敷に引き取られて、奥方さまもご実子同様に慈しまれたのですが、生憎、ミンチュさまは男子ということで、引き取られることはなかったのです」
二人の庶子は別々の女から生まれ、一人は娘であった。更にもう一人の庶子が兄弟ではいちばん下になるミンチュだという。
「旦那さまが十四におなりの年にお生まれになったので、歳は離れておいでです。今一人の外腹のお嬢さまは早くからお屋敷に引き取られて、奥方さまもご実子同様に慈しまれたのですが、生憎、ミンチュさまは男子ということで、引き取られることはなかったのです」
