テキストサイズ

君の笑顔

第26章 肝試し ~ウラ~

「福島って片野のこと好きなの?」

帰っていく片野と溝口をみていると黙っていた陽介が口を開いた。


「みたいだな…」



驚くほどの嫉妬心に戸惑う。



「ウラ、大丈夫か?」



心配そうに陽介が顔をのぞきこんでくる。


ったく。


お前だって、
何て顔してんだ。
人のこと
言えないだろう。



「あぁ。」

陽介の気持ちに気付いていないふりをする、ズルい俺。

もしかすると、本人も気付いていないのかも知れない。

けれど、やはり俺はそれを教えようとはしない。


こんなに自分が貪欲だったなんて……


違う。



片野のことだから。



だから、こんなにも余裕がないんだ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ