テキストサイズ

君の笑顔

第7章 残る感覚 ~片野 和泉~

気付いたら、手首を掴まれていた。



誰かと思ったら、そこには山崎陽介がいた。



本当に何なの、こいつ。



「ちょっと…何??」

っ……

あまりにも山崎陽介が真っ直ぐに見つめてくるから、どうしていいか分からなかった。


「さっき、返事したんだ。無視なんかしてねぇよ。聞こえなかったならごめん…。よろしく。」




そういって山崎陽介はウラのところに戻っていく。



手首に、あいつの温度が残る。



あんなに、はっきりと物を言う人初めてかも…

手首を見ながら、私は廊下に出た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ