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君の笑顔

第31章 いるはずのない人 ~片野 和泉~

「なにって………えっと……友達っていうか…」

なんていったらいいのか、分からず答えに困る私を沢村優はじっと見つめた。


「…そうだな。ただの…友だちだよ。」


ズキッ…

なぜなのか、
『ただの友だち』
というスケの言葉に少しだけ傷付いた自分がいた。



「ふーん。」


沢村優はそういうとだんだんと近付いてきた。


背が高くなって、
声が少し低くなっている。

だから気付かなかったけど…


本当に沢村優なんだ…。


「ただの友達なら、片野から離れてくれる?」

そう言って沢村優は私の腕を掴んで自分の方へと引き寄せた。


え……?



ふわっといい香りがしたと思ったら、沢村優はそのまま私を抱き締めた。


「ちょっ、お前っ!」



「会いたかったよ。」
スケの言葉を無視して沢村優が耳元で囁いた。

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