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君の笑顔

第31章 いるはずのない人 ~片野 和泉~

「さ、沢村、スケが見てるからっ!」

私はびっくりして沢村優を引き離そうとしたが、力が強くて全く離れない。



「いいじゃん別に。ただの友達なんでしょ。」


ぎゅっ


さらに強い力で沢村優が抱き締めてくる。


強引な沢村優の勢いに飲まれながらも、

後ろからスケに見られていると思うと、気が気でなかった。


「かわいくなったな…。」

そんな私をさらに飲み込もうと、
平気で甘い言葉をささやく沢村優。


自分の耳が赤くなるのを感じる。
そう思った瞬間、私は沢村優から解き放たれた。



「ここはアメリカじゃねぇ!!」

スケが、私と沢村優の間に入り、大きな声で言った。

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