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君の笑顔

第31章 いるはずのない人 ~片野 和泉~

待って……



気付いたら目の前には広い背中があって、陽介をぎゅっと抱き締めていた。


「片野……?お前なにしてんの?」


陽介の声が抱き締めている身体に響く。



自分のしていることにだんだんと恥ずかしさを覚える。


「なんでっ。なので震えてんの!」



「震えてなんかねぇよ。」

しかしそういう陽介の身体は確かに震えている。


「いや、震えてる。」

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