君の笑顔
第33章 言い表せない気持ち ~陽介~
「で、さ」
口を開いたのは沢村だった。
「なに?」
ウラが飲み物を飲みながら返事をする。
「片野の事だけど。」
ウラの手が止まり、飲むのをやめて机にコップを置く。
「あいつ彼氏いるの?」
「いない。」
ウラが即答する。
俺は何も話さずただ黙っていた。
「ふーん。」
沢村はにこっと笑う。
「じゃあ俺がもらってもいいわけだ。」
沢村の言葉ビクッとする。
また、俺、訳の分からないイライラが溜まっている。
「そうは言ってねぇよ。」
ウラが低い声で言う。
そんな様子のウラを見てクククと沢村が笑いだした。