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君の笑顔

第33章 言い表せない気持ち ~陽介~

「いやぁー迷っちゃったよ~相変わらず広い家だねぇ」

沢村にどういう意味か聞こうとしたとき、片野が部屋に帰ってくる。


「おかえり。」

沢村は何事もなかったかのように片野に笑いかけた。

ウラは一気にコップに入っていた飲み物を飲み干した。


「うわぁ!もうこんな時間っ!テスト近いし勉強しなきゃ…。私帰るね!」

時計は18時を過ぎていた。

「送るよ。」
沢村が立つ。


「あ、だ、大丈夫。ありがとう!」

沢村に話し掛けられ動揺する片野。


「いや、危ないだろ、もう暗いし…」

沢村はコートを掴んだ。



「いいよ、俺が送る。家近いし。」


「え?」
沢村は俺をじっと見た。



俺は立ち上がると荷物を持って片野の方へ行く。


「いや、スケ、本当、一人で大丈夫だから。」


「いいから帰るぞ。お邪魔しました~じゃあな、ウラ。」

俺はウラに手を振ると、無理矢理部屋の外に出た。


久しぶりに息をした気分になる。

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