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君の笑顔

第34章 強引なきもち ~片野 泉~

「そんなに警戒するなよ。」
ビクッと震える私を見て笑う沢村。


何も話せない。

話し方を忘れてしまった。


「なぁ、」

さっきまで余裕が垣間見えた沢村の声のトーンが変わる。


「…なに?」

全身の神経を使うようにして声を振り絞る。


ばんっ


一瞬何が起こったのか分からなかった。


目の前には沢村の顔がある。


すぐに、自分は壁に無理矢理追いやられたのだと分かった。

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