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彼と心と体と。

第19章 手



夏の夜はよく散歩した。


街灯の光で伸びた影が好きだった。

並んで歩く影は恋人にも見えるのに。



沢山の話を聞いた。

拓海はずっと話してて、あたしはずっと笑って聞いた。

時々相槌を忘れると、聞いてる?と確認をする拓海が可愛いと思った。



隣にいるあたしが何を考えていても、拓海は気にもならない。
そう思うと虚しかった。




でもこれでいいんだと思った。


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