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彼と心と体と。

第19章 手


拓海がしゃがんでいる。
悲しいのか、辛いのか、少しだけ震えていた。

あたしは拓海にゆっくり近づいて横にしゃがんだ。



「大丈夫だよ」



そう言いながら拓海の、背中を撫でた。

ただ、安心してほしいと思った。
不安なんか消してあげたかった。



頬が濡れたまま、拓海はあたしに抱きついた。

びっくりしたけれど優しく抱きしめてた。



「大丈夫だからね」



拓海は少し笑ってから、また顔を下に向けた。


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