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あなたが好きでした

第8章 さようなら、私達。


「先生……」





「…佐藤。卒業、…おめでとう。
佐藤の制服姿を見るのも、今日で最後か……。」




「……」





「…なあ、俺の意思であんな事したと思ってるだろ。」




「…そりゃ、あんなセリフ聞いたら普通は…」




先生は笑った。


何か、悲しみと憎しみが混ざったような笑顔だった。




「…あいつらさ、俺の事、嫌いだったんだよ。」


「…えっ?」






「俺をこの学校から追い出そうとしてた。」

「あいつらって……?」


「…佐藤をいじめてた奴ら。」

「えっ⁉…でも、先生が好きだって……」

「…そんな訳がないだろ。デマだよ。

それで、後輩を使って俺をああいう目に合わせた。

…信じてもらえないと思うけど、知っておいてもらいたかった。」



「先生…」



「…僕は、君には二度と会えないと思う。
でも、
…君への気持ちに偽りなんてなかった。
本当に最初で最後だったな……」





先生がそんな風に思ってるとは思わなかった。











「それじゃあな、…美命。」









…本当に、最初で最後だった。






たった半日でも、







私は、幸せだった。






少しの時間だけど、











あなたといた時間は






大切な思い出でした。

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