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ポーカーフェイス

第5章 視聴覚室で

「俺が居る~」


「?!」


声がした方に振り返ると、大きな本棚の陰から人影が出てきた。


「やっほ、また会ったね!棗ちゃん」


「ギャッ!なんでまた、あんたっ」


そいつはニコニコと笑いながら、こっちに歩いてきた。


「人の顔見てその悲鳴なんて、ひどいな~。俺、女の子にそんな反応されたの初めて」


うっわー、まじなんなの。


今会いたくない奴No.1だわー。


私の顔は不機嫌極まりなかったと思う。


なんでここに居るの?とか、聞きたいことは山ほどあったけれど、私はクルッと踵を返した。

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