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ポーカーフェイス

第5章 視聴覚室で

視聴覚室の壁はまあ厚い。


だからこんなにはっきり聞こえるってことは、すぐそこに人がいる証拠。


しかも、複数の生徒のサボりじゃなくて、聞こえてきた会話の感じからするに移動教室のようだった。


「だから言ったじゃん。棗ちゃん、早くそれ持ってこっち来なよ?」


私はどうすることも出来ない。


ここに突っ立ったままなら、確実にドアが開いた瞬間バレる。


視聴覚室を見渡す限り、体が隠れて、更に人に見つかりにくいは、スクリーンの反対側にある本棚しかない。


奴が我が物顔で待っている本棚しか。


「~っ」

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