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赤い印

第11章 分からない衝動

「…ちょっと、こっち」
雄治に細い路地に引っ張られて行く。

建物の壁に押し付けられ、
足と足の間に足を食いこまさせられて、距離は、そんなに無い。

暗いから人からは見えないと思うけれど、見られるかもと不安。

近い。

「何、考えてたの?」
いつもと違う、
優しくて、甘くて、低い声に
また脈が速くなる。

少しだけ、泣きそう。

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