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赤い印

第15章 壊れる関係。

那貴が無言で首を横に振る。
「何で?雄治なんか変だったよ?
 何で追いかけないの?」
那貴がひどく困った顔をする。

「那貴、杏樹に行かせろ。」
部長の声が険しい。
「行かせてやれ。」
前髪と、眼鏡のレンズの後ろで
底光りしている瞳。

那貴の力が緩む。

私はそれと同時に雄治を追いかけた。

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