人生憑依。
第1章 抱く心情
会長の恋人の二宮は、
いつもあんな濃い精液を口にしてるのだろうか。
いつも会長の蕾に自身をあてがって
腰を振っているんだろうか。
「はぁっ…ぅ…っ会長ぉ…っ」
会長が好き。
会長がほしい。
そんな一途な欲望が
今日までの半年、ずっと頭ん中で渦巻いている。
『んっ…はぁっあぁ…!』
会長の喘ぎ声を思い出すと
何とも言えない快楽が自身に、脳に伝わる。
ぞくぞくする感覚を合図に
更に手を激しく動かした。
―ビュルッ…ビュ…ッ
荒くなる息に
俺はドアを伝いながらへたり込む。
傍にいられる二宮がうらやましいと思った。
あいつが俺だったら。
何度考えたことか。
―俺の力を使えばいい…。
頭ん中で囁く俺の声。
俺は、その声に身を委ねた。
―二宮を憑依すれば、櫻井に更に近づける…。
俺の力というのは
【他人に憑依する力】。
ある日いつの間に宿っていた力だった。
「ひょう、い…」
そうだ。
二宮の人生を俺のものにすればいい。