人生憑依。
第2章 醜い幸福
翌日俺は朝から屋上に行こうと
渡り廊下を歩いていた。
すると前から3人程の人が此方側へ
向かっていた。
よく見ればその人達は生徒会の一部で
先頭を歩いているのは、
「……あ、」
会長だった。
俺の声に気づいた会長は
ふと俺を見て一瞬で顔を赤くした。
そして走って此方に向かってくる。
「あああの、あの事は忘れて…!」
「え―」
「あんな恥ずかしい姿見せちゃって悪かった…!」
涙を浮かべる会長の目。
そして真っ赤な耳。
見てると襲いたくなる衝動に駆られた。
「なに、翔ちゃん何かやらかしたの?」
いつの間にか
近づいていた生徒会の一部の2人。
少し高めな声で愛想を振りまくこいつは
相葉雅紀。いかにも馬鹿そうな顔をしてる。
どうやって生徒会に入れたのか
興味をそそられる。
「空気読め相葉。会長顔赤いだろ?きっと恋に関することだよ。な?会長」
うっすらと口角を上げるこいつは
松本潤。顔が濃くて頭も良くては
運動もできる奴。
…少しだけ天然なのがモテるとかどうとか。
「も、もううるさいっ二人とも黙ってろよ…っ」
真っ赤な顔をする会長は、
俺にこっそり、
馬鹿なことを耳打ちした。
「―…わかったよ」
俺はそれだけ言って
また屋上へ足を進めた。