
空に咲く花
第1章 変わらない日常
「お、梨菜。いらっしゃい」
そう言うと片手に
持っていたグラスを
勇治は棚になおした。
「まだあのお客さん
来てないんだー」
勇治を見ながら
ニヤニヤし梨菜は言った。
「うっせ!!」
勇治は苦笑いしながら
梨菜に言った。
梨菜の言うお客さんとは
勇治に惚れた常連の
女性客だった。
「勇治さん外見だけは
カッコいいですもんねぇ」
彩芽は腕を組み
一人でうんうんと
頷き言った。
「彩芽ちゃん?外見だけは
ってどーゆーこと?」
「え?…いや!!違います!!」
勇治がニッコリと
微笑み彩芽に言った。
が、本当に彩芽には
悪気が無いのだろう。
可愛い顔して毒を吐く
彩芽は天然の毒舌
なんだと思う。
-カランカラン-
そんな話をしていると
店のドアが開き例の
あの客が入って来た。
