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KISSからはじめよう

第8章 智、決断する

翌朝目覚めると
横で眠っている彼女にちょっと驚く

そうだ…
昨日…

彼女の香りをもう一度、と
大きく吸い込もうとしたが
余り昨夜の香りはしなかった

もうおれの家の香りになっているようで
残念でもあり
嬉しくもあった

「千尋ちゃん…?」

身体を揺らして起こすと
小さく「おはよ」と言う

「おはよー千尋ちゃん♪」
「智さん…お腹空いた!?」
「うん…(笑)もう10時だし…」
「私も…お腹空いた(笑)」

笑いながらベッドから起き上がり
手を繋いだままキッチンへ向かう

「目玉焼きくらいかな…?」

冷蔵庫の中を覗きこみながら
彼女はぼそっと言う

「今度は何かしら買っておくよ」
「でも…お料理しないでしょう!?買っておいても悪くなるだけだけど?」
「悪くなる前にうちに来ればいいじゃん♪ね?」

どーだ!!とばかりに勝ち誇って言うと
「そうだけど…」って急に不安そうな顔…

頻繁に来ても構わないのに…
というか…会いたいのにな

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