KISSからはじめよう
第1章 智、食事に誘う
彼女が初めておれらの取材に来たのは
1年前くらいのバレンタインデー特集だった
その頃はまだアシスタントで
先輩の仕事の様子を見ながらちょこちょこ動いている印象しかなかった
着なれていないのがすぐにわかるような
パンツスーツと
動きやすさ重視のペタンコな靴で
ひとつに束ねただけの髪が
記憶に残っていた
しばらくすると、先輩に後押しされるようにおれらに質問をしてくるようになり
先輩の寿退社を機にひとりで取材するようになっていた
カメラマンを従え、時間配分を気にしながら、読者が知りたそうなことだけを
不躾に聞いてくる
最初は嫌だった取材だったが
彼女のことを気にするようになってからは
どんな質問にも笑顔で答えていた
「チョコレートをもらうならどんなシチュエーションがいいですか?」
そんなこと…興味あるのかな…?
1年前くらいのバレンタインデー特集だった
その頃はまだアシスタントで
先輩の仕事の様子を見ながらちょこちょこ動いている印象しかなかった
着なれていないのがすぐにわかるような
パンツスーツと
動きやすさ重視のペタンコな靴で
ひとつに束ねただけの髪が
記憶に残っていた
しばらくすると、先輩に後押しされるようにおれらに質問をしてくるようになり
先輩の寿退社を機にひとりで取材するようになっていた
カメラマンを従え、時間配分を気にしながら、読者が知りたそうなことだけを
不躾に聞いてくる
最初は嫌だった取材だったが
彼女のことを気にするようになってからは
どんな質問にも笑顔で答えていた
「チョコレートをもらうならどんなシチュエーションがいいですか?」
そんなこと…興味あるのかな…?