先生が教えて。
第14章 兄弟
「あはは…、
確かに手が早そうですよね…」
私はもう出されかけてますけど。
「そういやお前、口の傷大丈夫か?」
「えっ?」
隆司君、気付いてたんだ…。
「よく気付いたね…」
「あぁ。カラオケの時痛そうだったからな」
隆司君は、思いやりがある良い人なんだな…。まるで兄貴の方とは大違いだ!
「そうだ、連絡先交換しとく?」
隆司君が携帯を差し出す。
「あ、そうだね…」
アドレス交換が終わると、丁度私の家に着いた。
「今日はありがとう。
こんな遠くまでごめんね」
「いや、そこまで遠くもねぇよ。俺の家、ここから10分くらい」
嘘っ!
神田と以外に家近いんだ…。
「そうなんだ。
じゃあ」
「おう、またな」