先生が教えて。
第17章 修羅場
「愛梨、さ…
こいつの事好きなわけ…?」
裕太が震える声で言う。
先生の事こいつなんて言っちゃダメだよ…。
なんて思考は勿論停止していて。
何故か裕太を裏切ってしまったという気持ちが心の中で渦いていた。
神田は相変わらずの笑みを浮かべて私の返答を待っている。
「なあ、愛梨…。
どうなんだよ!?」
突然声を張り上げた裕太にびっくりして、私の肩が震えた。
「おい裕太君。
愛梨がびっくりしてるだろ、
「黙れよ!」
「先生に向かってその口の聞き方はなんだ?」
「ここまで来て教師も生徒もないだろ。
愛梨も…、目を覚ませよ!!」
裕太が泣きそうな顔をして怒鳴る。
それだけでどれだけ私の事が好きなのかが痛いほど伝わって来た。