先生が教えて。
第20章 奪い合い
「…なぁ愛梨」
「あっ、え、何?」
「…いや、やっぱいいや」
「何よーっ!」
あはは、と笑い合ってみるが
やっぱり何処か重くて…。
グイッ
「わっ」
「今日だけ、くっついて学校行こう」
「だからっ、変な誤解されるって…」
一番最初に浮かんだのは神田の顔。
あ、でも私達ってまだ付き合ってないのかな…。
昨日はなんか曖昧なまま別れちゃったし。
今日こそ、ちゃんと話さなきゃ。
…最後くらい、裕太にくっつかせてあげてもいいよね?
「今日だけだからね」
「ありがと、愛梨」
そう言って、裕太はまた笑った。