先生が教えて。
第20章 奪い合い
「ですよねぇー?」
これ見よがしに私の腰を引きつける裕太。
明らかに神田の反応を面白がっていた。
「なぁ愛梨どーする?」
「っ…」
こうなったら…
「わ、私っ…!
他に付き合ってる人居るし!!」
「っえ、えー!?」
驚く皆。
神田も一瞬目を見開き驚いたが、直後にフッと笑って目を細めた。
裕太が驚いて手を緩めた隙に、私は裕太の手から逃れた。
「えーっ、嘘うそ!?
誰!?」
「どんな人!?」
裕太への注目は無くなり、私自身に視線が動いた。
裕太は顔を歪めると弾かれる様に先に教室に行ってしまった。