先生が教えて。
第30章 同棲
裕太は大きく目を見開き、動きを停止させた。
その場の時の流れがスローモーションの様に流れた。
「な…んで…だよ…?」
震えた声で言う裕太。
それだけで私の胸の中は罪悪感で一杯になる。
「好きなの…、
まだ…
総司の事が…」
「は…?
なんだよそれ…。
忘れたんじゃなかったのかよ…?」
裕太は膝の上で拳をギュッと握りしめて、震えている。
「ごめんね、ごめんね裕太…!ごめんなさい…!まだ、総司の事忘れられないの…!諦めきれないの…!
今日ね、六年ぶりに総司に会ってわかっちゃったの…!まだ総司が好きだって…!
ごめんなさい…」
「なんだよそれ…。
あいつが帰って来たからあいつの方に戻るのか?
それじゃあ俺、今まで愛梨の都合の良い様に使われてただけじゃねえかよ…!」
その通りだよ、裕太。
ごめんなさい、裏切ってしまってごめんなさい。
全て…、全て私が悪い。
「ごめんなさい…」
「出て行けよ…、もう…、お前の顔なんて見たくない。出て行け」
「っ…」
「出てけよ!」
私はベッドから立ち上がって、自分の部屋に向かった。
私は泣いた。
裕太もきっと泣いてた。