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先生が教えて。

第33章 傷




部屋の鍵は空いていた。


ガチャ


ドアノブを回して部屋の中に立ち入ると、光はどこにも見当たらない。



真っ暗だった。



壁を伝いながら、
リビングルームへと向かう。



「ッ…!?」



ガラスの破片のような、何かを踏んでしまったようだ。


見えなくても、
血が流れる感覚はわかる。



きっと今、この部屋の中はめちゃくちゃなのだろう。



目が慣れてきた時、リビングルームの隅でうずくまってる様な黒い影が見えた。




「…裕太?」




私が声をかけると、その影が震えた。







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