先生が教えて。
第33章 傷
「…なん、で、戻ってきたんだ、よ」
鼻声で、うずくまりながら裕太は言った。
「ごめん」
「何がだよッ…」
「ごめんなさい」
「わかんねぇ」
「傷つけてッ……
ごめんなさい……!」
フラっ、と裕太が立ち上がった。
すると私の頬を優しく包み、視線を合わせたのだう…上を向かされた。
「お前のこと、本当に大好きだった。
愛していた…、でも
今俺はお前が憎い、大嫌いだ」
カーテンの隙間から漏れた光が、
裕太を逆光で照らした。
見たことのないような優しい顔で、裕太は私に毒を吐いた。
裕太の涙と私の涙が、頬を濡らす。