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「これを、直すのか… 穴が開いてなきゃ、マストを付けてオールさ着ければ、何とかなるが…」


「が？」

「よしんば動かせても、外洋に出られる船ではない…これで出ていったら自殺行為だぜ…」


「そうか… 駄目なのか…」


百地の落胆ぶりが見える…


「クウン…クウン…」


何処かで犬の鳴き声が聴こえる…


打ち上げられた船からそう遠く離れていないところで、黒い小さな犬が鳴いている…


近づいてみると、黒髪の褐色の肌の女が倒れている…