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私のはぐるま

第1章 出会い

タクシー乗り場まで送ってくれるのが日課になっている。

乗り場についてからも手が離せず、「もう少し時間いい?」
勇が私を求めてる・・・?



薄暗い場所に移動して、そこでもキスをする。

何度も何度も、唇を重ねる。
だんだん下がってくる唇。

酒交じりの甘い吐息が私をくすぐる。

おでこや耳、首を勇の熱み帯びた唇が伝っていく。

「ふぁ・・・ぅ」

「どうしたの?」クスクスしながら聞いてくる

「みみが・・・」

「弱いんだね・・・」

悔しいからと、適当な理由をつけて私も彼の身体を触る。

「・・・なんともないの?」

「くすぐったいけど、そんなでもないよ」

勇にスイッチがあるとするならば、この瞬間にONになったのだろう。

「俺も明日休みだったらな」
「本当だねー、寂しいな」


「少し歩こうか」
「明日仕事なのに大丈夫なの?」
「いいから」

しばらく歩くと、どんどん人気がなくなる。

「ちょっと怖いね」
「一緒にいるのに?」
「一緒にいるから怖いの。壊れちゃいそうで」
「壊さないよ」
「どーかな・・・」


キスをする。

「入ろうか」
ホテルの前でそんなアイコンタクト
無言でうなずきついていく私、エレベーターの中はドキドキが聞こえそうなくらい密着した。
彼女をすてるの?
私と一夜を過ごすだけなの?

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