私のはぐるま
第5章 解放
「優南、ちゃんと説明して?これは転んでできた痣じゃないよな?」
歯を食いしばり無言の優南。
すると哲也は、優南の服を脱がし始めた。
「ちょっ・・・なにするの!?辞めて!!!」
そんなのお構いなしで服をぬがし、哲也は絶句した。
体中の痣を見て、今日これなかった理由を悟る。
「おまえ、こんなんるまでどうして・・・」
「なんでも・・・なんでもないから・・」
そういって、優南は涙を堪え服を着直す。
そっと哲也が優南を抱き寄せる。
「もう、心配でみてられねーよ。こんなに傷だらけで。なんで助けてっていわねーんだよ。」
「哲也・・・」
「優南、言いづらいかもしれないし、辛くて思い出したくないかもしれないけどちゃんと話してくれねーか?俺そんなに頼りない?誰よりも優南のそばにいて、誰よりも見てきたつもりだ。優南のこと一番解っているのは俺だろ?もう、一人で突っ走るな・・・」
哲也は知っていた。
高校、大学と離れている間に優南に頼れる存在がいなかったことを。
いじめに合っていたことを。