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身代わりH

第14章 *増していく想い

午後の授業が丸々潰れる、利点はそこだけだ。




-あたしだってきっと…本当なら寝てる。




-だけど眠れない。眠りたくない。




“結論として僕が言いたいのは…”




ピピピピッ




先程から壇上に立っていた先輩がまとめに入ろうとした時、小さな電子音が聞こえた。




前から3列目に座るあたしの前で、現国の先生がストップウォッチを止めている。




“はい、そこまで”




先生がマイクを使って発表を遮り、気まずい雰囲気が流れた。




発表半ばで強制終了となった男の先輩は落胆したように肩を落としてステージから降りて行った。

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