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オタクのペット

第14章 永田の秘密

アパートが取り壊されて駐車場になってから、かなり外の見通しがよくなった。

永田はタバコに火を付けて加えたまま、どこかに歩いて行く。

アイツ、私の事をほかって、どこ行くんだよバカ!

しばらく歩いて、何軒か先の住宅のインターホンを押している。

えっ?…まさか。

出てきたのは、さっきのクソババア。

嘘でしょ、何か…何か言ってるのか?!

ちょっと、マジか。

明らかに永田が、一方的に何かを言っている。

ヤバいヤバい!

私は慌てて、部屋を飛び出して階段を降りて、玄関を出て行く。

な、何であのババアだと分かったんだ?!

永田はもう引き返している最中で、焦りながら駆け寄って行く。

「あんた、何してんの?もぉーっ」

「トシコ」

永田は困ってる私の頭をクシャッと撫でる。

そのまま二人で家に帰り、部屋に戻るとさっそく私を押し倒した。

首筋に口唇をなぞらせて、息を吹き掛けながら永田は言った。

「トシコを傷付けたら許さないって伝えてきた…」

「マジ?」

私は永田の握られた指先に、力を入れて握り返す。

「…マジだよ」

「そう…」

「それから…黙っててごめんな…」

永田は申し訳なさそうな顔をした。

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