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オタクのペット

第14章 永田の秘密

永田はまた裸になり、私に被さろうとするから、隣りに仰向けにさせた。

まだ元気のない永田の相棒を、両手で握りキスをした。

チュッ…

先端の汁を舐めて、そのまま口の中に含ませる。

「…交際している時は、あんなに積極的に俺に言ってきてたのに、ひどいもんだ…本命は他に居たんだからな…」

いつもならすぐに硬くなるのに、何度舐めても相棒は反応しない。

チュパッ…チュパッ…チュパッ…

「そんな事も知らずに本気になって、結婚する前に家まで建てちまった…で、いざ結婚して一週間だけの生活で…終わっちまった…」

永田を傷付けるような、裏切るような女のどこに品格があるんだ。

聞いてると、どんどん腹が立ってくる。

私は激しく口元を上下に滑らせた。

たくさん溜まる唾液の中に、相棒を包ませて、吸うように口でしごく。

「…離婚するつもりで俺と結婚したみたい…だけど俺はすんなり離婚届けに記入して役所に提出した…」

私も別れた旦那からしたら、同じだ。

相手は居る居ないにしろ、私は自由になりたかった。

束縛されない、自分だけの一度きりの自由な一生を送りたいと思って別れたから。

離婚した旦那の最後に言った言葉を思い出す。

幸せにしてやれなくて、ごめん。

いいの、私は。

誰かに幸せにしてもらおうだなんて、図々しい事は思わないから。

幸せは自分自身で手にしたいし。

幸せと感じるのは、自分自身が決める事だから。

「…ただ俺は…結婚して幸せにしてやりたかっただけなんだけどな…」

……!

私はもう、永田のその言葉に自分の心が堪えられなくなって、永田のうなじに顔を埋めた。

「バカバカ!…もういいよ、バカバカ!…」

「トシコももう限界?俺ももうこの話するの限界…」

「私には私の決めた幸せがあるの。たぶんその女も、自分の決めた幸せは最初から決まってたと思うの…」

「だろうな」

私の背中に手を回して抱き締める。

その温かい手。

その柔かくて、優しい笑顔。

この揺れる胸の鼓動。

そして、甘い口唇から漏れる、透き通るような声。

そこに包まれて…

「私の幸せはここにある」

今、ようやく気が付いた。



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