無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

結婚も子どもも産みたくない。

他人のために、犠牲になりたくない。

でも、幸せにして欲しいだなんて、私もよくもまぁ、自分勝手な発言を散々、永田にぶつけたもんだけど。

「身構えると、ろくな事ないからな。俺としては、おまえとならもう一度考えてもいいと思ってる」

ふわっと、今の言葉で宙に浮いたみたいに心臓がなった。

「人をまた、女を信用すると…また自分が無駄に傷付くかもだとか、考えないの？」

嬉しいけど、簡単に嬉しがらないのが私。

簡単に他人を信用しないのが私。

「…私は永田が幸せにしてくれる代わりに、あんたを裏切ったりはしない。でも、人の心は移り変わりが激しいでしょ？良いようにも悪いようにも変わるから…」

何だろう、素直にどうしても物事を受け止められないの。

色々と、ごちゃごちゃと自分の黒いモノを知ってるから、その他人の黒いモノを考えてしまう。

「好きなら好き。信じてるって言ったら、まずは信じる事。おまえは腹の底ばかりを、そのまま理屈こねるからダメなんだよ」

永田は私を抱き締めて言う。

「俺が今から言う言葉に、全部イエスで答えろ。…いいね？」

ダメだ…、コイツまじ優し過ぎる。

「俺の事、好き？」

「やだ、恥ずかしい」

「ほら、違うだろ？」

……。

「イエス」

「幸せになりたい？」

あぁー、こっぱずかしいや。

「イエス」

「俺を幸せにしたい？」

「イエス」

「俺を信用できる？」

嘘ついたら、私の方がブッ飛ばしてやる。

「イエス」

「俺の前では素直な自分を出せる？」

えっ！…そんな…。

「イエス」

って言わなきゃダメなんだよね。

「おまえは俺に言ったよね？俺の気持ちに添うって？」

「イエス」

「おまえは俺に言ったよね？俺の言う通りにするって？」

「イエス」

「その約束は守れる？」

「イエス」

で、何なの？

永田の声が耳元で響くたびに、抱き締められた胸から心臓の揺れが、私の胸に伝わって身体全体を揺らす。

前よりも、好きだと感じてしまう。

「ずっと一緒に居たい？」

「イエス」

永田の背中の服をギュッと握った。

「じゃあ、もう一度聞くけど、俺の事、好き？」

「イエス」

私は永田が好きだってば！

当たり前だよ！

好き過ぎて、もう私はおかしくなっちゃうよ！