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オタクのペット

第4章 おまえ次第

「選択しても、結果はおまえ次第。だから俺を少しでも恨んだら、ブッ飛ばす」

遠い目をして永田はボソッと言った。

女の子に向かって、ブッ飛ばすだって。

どこまでも最低、最悪、非道な鬼畜野郎だ。

私はギュッと布団を握り締めて、永田の背中を見つめた。

私と一緒に住みたいのは、あんたなんでしょ?

そうじゃなきゃ、普通そんな言葉は言わないよ?

やっぱり変態だ。

「…早くパンツ履いて、部屋から出てけ。布団におまえの臭いがつくと、キモチ悪くてしょうがねぇ」

なんて人っ!!

私は慌てて下着を付けて、パジャマを着る。

部屋を出る時、一先ずお礼を言った。

「永田、あのさ、昨夜はありがとう。永田のキスで私決めたわ。もう旦那には会わない。食繋ぎのためで、別れた旦那にキスを引き換えるだなんて、情けないもん。…っていうか、キスってそんなためのもんじゃないもんね。…永田のキスで、こっちのがホンモノだって思ったの…」

はっ…!

サラッとまた何言った私!

今、凄い恥ずかしい言葉を、うっかり言ってしまったよね。

「早く出てけ」

私は静かに部屋の扉を閉めて、またオンボロアパートへと戻って行った。

永田、振り向かなかった。

冷たいはずなのに、気のせいか頬が赤く染まっていたような。

アイツ、本当に良く分かんないや。

私も失言した。

何か変な気分。


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