
オタクのペット
第9章 意外とね
「そうかそうか、じゃああの子の事はよろしく頼んだよ」
頼まれても…。
「あの子は寂しがり屋で甘えん坊じゃからね」
そうは思えんな。
「でも宝物は大切にする子じゃからね。またな」
と、お爺さんは手を振って去って行った。
なんだ、それ。
私は何にも言ってない。
この先の事なんて断言できない。
自由と孤独を選択した私には、誰かと一緒に居て幸せになれるかだなんて、断言できない。
他人のために自分を変えるだなんて、私には難しい事。
自分の中の自分は、消す事ができない。
それを許してくれる相手じゃなきゃ、一緒には長く居られない。
だから、永田ともこの先にずっと一緒に居られるかだなんて…。
正直…。
夕方、買い物をしてアパートへと帰ると。
珍しくアパートの前で、永田が腕組みしてドアの前で立っていた。
「おう」
そう言われて、
「よお」
と手を上げた。
「買い物してたんか?」
「そうそう」
「なぁ、おまえもう俺の部屋で住めよ」
「期日は今月末まででしょ?管理人さん」
私は部屋の鍵を探す。
「自分の敷地をウロウロするのも、何だかみっともないし」
知らねぇよ。
「私は平気だよ」
「俺が嫌なんだって…」
そりゃあね、セックスだけのために私の部屋を訪れる訳だから、後ろめたさはあるだろうね。
「永田寂しいの?」
「えっ?バカじゃん、おまえ」
あれ、今ヤバいって顔した。
「意外と可愛い反応すんのね、あんたは」
私は鍵を開けて、部屋の中に入る。
「俺をバカにすんなよ」
とか言いながら、部屋の中に一緒に入ってくる。
「よしよし」
私は永田の頭をポンポンと撫でてやる。
「やめろってんだボケ」
恥ずかしいみたいで、露骨に照れて困惑気味。
からかうと、おもろいな。
永田自身が物事に積極的になってる時は、やたら自信満々なんだけど。
相手がそう出ている時のコイツの反応は、うろたえた女みたいな表情してるから、笑える。
「今晩は何作るんだ?」
「もやし炒めにもやしの味噌汁だ」
ズカズカと部屋の中まで入ってきて、私の後ろから、食材を並べる手元を見つめる。
「何?」
「いや、しけてるな」
「お金ないからね」
「だからって、もやし何袋買ってんだよ」
「もぉ、イチャモンつけてこないで」
頼まれても…。
「あの子は寂しがり屋で甘えん坊じゃからね」
そうは思えんな。
「でも宝物は大切にする子じゃからね。またな」
と、お爺さんは手を振って去って行った。
なんだ、それ。
私は何にも言ってない。
この先の事なんて断言できない。
自由と孤独を選択した私には、誰かと一緒に居て幸せになれるかだなんて、断言できない。
他人のために自分を変えるだなんて、私には難しい事。
自分の中の自分は、消す事ができない。
それを許してくれる相手じゃなきゃ、一緒には長く居られない。
だから、永田ともこの先にずっと一緒に居られるかだなんて…。
正直…。
夕方、買い物をしてアパートへと帰ると。
珍しくアパートの前で、永田が腕組みしてドアの前で立っていた。
「おう」
そう言われて、
「よお」
と手を上げた。
「買い物してたんか?」
「そうそう」
「なぁ、おまえもう俺の部屋で住めよ」
「期日は今月末まででしょ?管理人さん」
私は部屋の鍵を探す。
「自分の敷地をウロウロするのも、何だかみっともないし」
知らねぇよ。
「私は平気だよ」
「俺が嫌なんだって…」
そりゃあね、セックスだけのために私の部屋を訪れる訳だから、後ろめたさはあるだろうね。
「永田寂しいの?」
「えっ?バカじゃん、おまえ」
あれ、今ヤバいって顔した。
「意外と可愛い反応すんのね、あんたは」
私は鍵を開けて、部屋の中に入る。
「俺をバカにすんなよ」
とか言いながら、部屋の中に一緒に入ってくる。
「よしよし」
私は永田の頭をポンポンと撫でてやる。
「やめろってんだボケ」
恥ずかしいみたいで、露骨に照れて困惑気味。
からかうと、おもろいな。
永田自身が物事に積極的になってる時は、やたら自信満々なんだけど。
相手がそう出ている時のコイツの反応は、うろたえた女みたいな表情してるから、笑える。
「今晩は何作るんだ?」
「もやし炒めにもやしの味噌汁だ」
ズカズカと部屋の中まで入ってきて、私の後ろから、食材を並べる手元を見つめる。
「何?」
「いや、しけてるな」
「お金ないからね」
「だからって、もやし何袋買ってんだよ」
「もぉ、イチャモンつけてこないで」
