ドリームSEXカフェ
第20章 ロミオとジュリエット…
『…父の会社のため…後継ぎの弟のため…
女に生まれてきた私の運命なんですかね…』
『…結婚されたくないのですか?』
オーナーの言葉に…ズキンと胸が痛んだ…
『ホントは…
やっぱり、好きな人と一緒になりたいって……
ま…絶対…無理なのは解ってるから…
逆に…諦めがついた…かな?』
水を一口飲み…
涙をこらえた…
『お客様も…あの扉が見えてますね?』
『えぇ…』
『お客様も…願望をぶつけてみては?
…現実で伝えられない思いを…夢の世界で…伝えてみては?』
『夢で?』
『はい。
あの扉の奥は…夢と現実の間の世界。
胸に秘めた願望を体験出来る空間…
後悔しない結婚のために…いかがですか?』
『入ってみたいです…
夢でもいい…伝えたい…』
私は扉の取っ手を掴み…
両手で開けた…
長く続く廊下が見え…
胸が高鳴った…
嘘でもいい…
夢でいい…
この願いを…
『では、
…夢をリアルに…
………リアルを体に…』
ギギギ―――…バタン!!!
背中でオーナーの声がしたが…私は数歩進んでいた…