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私と飼い主のはなし

第6章 視線


包装紙を一枚剥がすけど、その下にまた包装紙、また包装紙と何枚にも重なって厳重に包まれていって作業的に剥がす手はもうためらいもなくなっていた。

だが、最後の一枚を剥がしたとき、それが何か一目でわかってしまった


「これ…もしかして…男の人の、」


男の人のあそこをかたどった硬いシリコンで出来た模型?
たしかディルトってやつだ…
でも、なんでこんな…

「あれ、なんか紙がはいってる…」

段ボールの底に一枚の白い紙が入っていて手に取ると何か書いてあった。


【いつも貴方を見ています。これは、僕のモノを模った特注品なので、ぜひ使ってください】

直筆ではなくパソコンで打たれたその文字は無機質で、人間味を全く感じさせなかった。


(….本物の、おちんちんを模った…)


左手に持ってあるディルトに視線を移すと、まじまじと見るのが恥ずかしいくらい、鮮明に出来ていて顔が熱くなった。

男の人のおちんちんを見るなんて、昔お父さんとお風呂に入ったとき見た以来なので少し驚いた。
動画で見たことはあるが、そこにはモザイクがかかっているし実際はどんな大きさなのかは想像出来なかった。

でも、いま私が握っているものは、本物のおちんちんと同じなんだ。

そんなことを意識すると途端に興奮してしまった。
こんな状況なのに、いや、この状況だからなのか、
本当に私のオナニーを誰かに見られていたなんて思うと恐怖とは何か違う、恥ずかしいけど恐いけど….うまく言えないけど無性に興奮してしまうのだ。


そして、気が付いたら私はまたいつものように窓に向かってオナニーをしていたのだ。

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