私のオネエちゃん
第12章 疑惑
真子「…」
恭平「真子!?」
真子「…お兄ちゃん」
恭平「留守電聞いた、母さんが…倒れた
って…」
真子「…うん」
留守電で
由美子が倒れた事、伝えてはいたが
恭平の顔を見た瞬間、緊張の糸が切れた
ように
真子は大勢の人が行き交う
大学の前にも関わらず
泣いてしまった
真子「お兄ちゃん…どうしよう…もし…
お母さんになにかあったら…」
恭平「大丈夫だよ、大丈夫だから」
真子「でも…でもわかんないじゃん!?
何が起こるか…」
恭平「真子…」
真子「だから…だから会いに行こう」
恭平「…」
真子「お兄ちゃん?」
恭平「…」
少しでもいい
顔を合わせなくてもいいから
様子を見に行こうと必死に恭平を説得す
る真子
しかし恭平は断固として
由美子が入院する病院に行こうと
しなかった
恭平「…」
真子「…わかった…もういい」
恭平「真子?」
真子「お兄ちゃんがいかないなら私一人
で行って来る」
恭平「真子!?」