私のオネエちゃん
第14章 別れの時
数日後
由美子は無事、退院した
それと同時に父は由美子と離婚し家を出
る事になった
もちろん
恭平も一緒に…
父「荷物、これで全部?」
由美子「うん、ありがとう」
恭平「真子」
真子「…」
父「車、移動させてくるから」
由美子「恭平、私、先行ってるわね」
恭平「わかった、すぐ行く」
真子「…」
お別れの日
離婚し家を出るからといって
二度と会えなくなるワケではないが
真子はまるで
わがままな子供のように恭平の手を握り
離そうとしなかった
真子「…」
恭平「真子」
真子「どうして…どうして離れて暮らさ
なきゃいけないの…」
恭平「それは」
真子「離婚したって…家族じゃなくなっ
ても今まで通り一緒に暮らせばいいじゃ
ん!!」
恭平「そういうワケにいかないよ」
真子「でも…」
恭平「…」
真子「…離れたくないんだもん」
わがままだって事
どんなに引き止めても説得しても
今まで通り
家族として一緒に暮らす事は出来ない
そんな事わかっていた
それでも
どんなに惨めでも、どんなに格好悪くて
も、この手を離す事は
出来なかった