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あまこい. お兄ちゃんの友人

第11章 **おにぃが変なのはいつもの事**

ひとりのご飯は昔から苦手だった


両親は共働き、おにぃはぐれちゃって夜中まで帰ってこなかったから、いつも一人で食べてた。



自分の咀嚼する音、食器と箸のすりあう音。あと、やけににぎやかなテレビの音。

リビングにこだまするこの音が嫌いになりそうだった。



でも、迷惑かけちゃいけないし、迷惑だと思われたら、捨てられる。


そう感じていた私は必死に咀嚼した、何度も何度も。



ご飯を残せば怒られるから、迷惑になっちゃうって。



だから、天罰なの。自分の本音を言わなかったから、その天罰だよ。

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