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あたしは被害者

第5章 ママ

「からかうんじゃねーよ
行くぞ、笑み」


達也はみんなに
言い放つと、
あたしの手をとって
スタスタ歩いていく。


「あーあー
達也怒ったんじゃねーの?」

「達也は束縛
しちゃうタイプだしねー」


後ろから聞こえた。


チラッと後ろを見てから
達也を見上げる。


達也があたしを見て
自分の方へ
あたしを引き寄せた。


「早く……デートしよーぜ」


「達也?
……もしかしてだけど、

みんなが話してて
早くデート
行けなかったから

イライラしてたの?」


「ちょっと
だけだけどな?」


照れたように言うと、
またあたしの手をとった。

今度はやさしく。

そして並んで
あたしたちは街を歩く。











達也。




あたしにとって
こいつは

ただの道具でしょ?



美男美女のカップル

そう思われたいが
ために
利用してるやつでしょ?




……今さら後戻りは


できねーぞ、笑み。

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