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あたしは被害者

第6章 ママの彼氏


本棚の上にある
手鏡より一回り大きい
鏡を見つめる。


ふっ。

あたし今、
すごい怖い顔してる。


でもブスじゃないの。


可愛いの。



チークでピンク色に
染まっている頬を

両手で包み込んだ。


あったかくて
柔らかい。



あたしが
嫌いなものはたくさん。


あたしより
可愛いもの。

あたしより
綺麗なもの。

あたしより
目立っているもの。

あたしより
人気なもの。

あたしより
料理がうまいやつ。

あたしより
歌がうまいやつ。

あたしより
声が可愛いやつ。

あたしより
髪が綺麗で目が大きいやつ。


あたしより
足が細くて腕も細くて、爪が綺麗なやつ。


あたしより
他人から同情されて、可哀想がられて、人がずっとそばにいるやつ。




あたしより
笑顔が似合うやつ。





だから、ママ。


あんたは無理よ?




あんた



泣き顔がお似合いだもん。























あの男とセックスしてやるから。

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