あたしは被害者
第8章 5人目のターゲット
「……あ、あの……?」
急に黙ったあたしに
戸惑う正也。
「……うん、決めた!」
フォークに刺したままだった
ミニトマトを頬に隠すと
フォークを正也に向けて
「明後日、デートしよっか!」
「……え」
本格的に動き出した
あたしの愉しいゲーム。
あたしは常に
『あたし』を作るために
脳を動かす。
すべてを完璧に。
無駄をなくし
時間を大切に。
相手の気持ちを考えるのよ、笑み。
相手がを何したら
楽しみ、笑い、
哀しみ、苦しむのか。
あぁ
身体の芯が疼く。
早く、早く壊したい
早く……!