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あたしは被害者

第9章 どっちもぶっ壊す



教室の窓から見える外。


いつもならひと気がない
グランドがサッカー部の試合で
賑わっていた。



「笑み!
早くしないと試合、
始まっちゃうよ!」


「達也出てる!
早く笑み!」


あたしは
こと美としほりに手を引かれ
グランドに急いだ。



「あ、もう始まってない!?」

「うちのクラス
ホームルーム遅いからぁ!」


ピンク色のゼッケンを着た
うちの学校のサッカー部。

その中に一際目立つ
蛍光色のゼッケンを着た達也。




あ、

目が合った。。




ニコッと笑いかけ
手を振った。


振り返してくれる達也。


その光景を眺める
女子達。



達也はあたしが男に
なったようなもの。

もちろん女子に人気だけど

彼女があたしじゃ
誰も叶わないのが目に見えている。


だから誰も手を出さないし
遠くから
唇を噛み締めるしかないんだ。


「ラブラブだねぇ」


横でしほりが呟いた。

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